アフガニスタン ペシャワール会伊藤さん拉致事件 2
今朝は朝6時に、電話がなりました。日本の民放他社さんの取材コーディネーター(パキスタン人)からでした。イスラマバードアフガンのテレビ・コーディネーターからも、情報を入手したくて、うちに電話がかかってくる。やれやれ・・・なんでうちにかけてくるんだろう。

夕べは、ペシャワール会代表中村哲医師がイスラマバードへご到着。
夫ベーグは取材側でもあったのですが、中村先生に直接カメラを向けることはしたくなかったらしく・・・。パキスタンの友として、ペシャワール会のサポーターとして、たくさんのカメラを向けられた中村先生を空港出口からお守りするように、車へとお連れしたそうです。ご心中察して余りあります。「本当に残念・・・」先生の言葉。先生はそのままペシャワール、ジャララバード入りされました。

今日は午前中、伊藤さんのご遺体は別の場所のまま、現地の村人たち180人と共にお別れの会がとりおこなわれ、その後、州知事が手配した2機のヘリコプターで、ご遺体はカーブルに搬送されたそうです。

一時は30発の銃弾が打ち込まれていたとかいう誤報も日本であったそうですが、実際は足に2発の銃弾の痕があり、また頭部に怪我があったというのが事実です。ペシャワール会からの報告なので、確かです。

午前中のお別れの会で、先生は、「他の日本人スタッフは全て帰し、私がひとり残る。
伊藤さんがこのアフガンを緑豊かな幸せな土地にしたい、と願ったことを、私はあきらめない」と、おっしゃったそうです。

パキスタンの難民となったアフガニスタンの数多な人たちは、帰還しても、帰還させられてもがなく、土地がなく、がなく、そもそも長年続く旱魃で水がなく・・・実際、生きていけない過酷な状況におかれていました。
ペシャワール会は、その荒地となった大地に井戸を掘り、用水路を作り、水ができたところに農業支援し、人々がそこで根付いて生きていけるように不屈の精神で活動されてこられました。
外国政府や国連さえも、できなかった活動です。これまで、本当に数多くのNGO活動を見てきたベーグも、ペシャワール会と他のNGOをひとくくりでなど語れない、と言います。先生は、皆が語らぬ本当のアフガンの真実を語られ、尽力されてきたことで、それがゆえに要らぬジェラシーを受けたり・・・敵も作ってこられたかも知れません。
「某新聞が『自信と過信』なんて見出しで記事書いているよ」とベーグに言いましたところ、「何もしらない奴らが、ペシャワール会がこれまで何をしてきてか、安全対策もどれだけしてきたか・・・・・・知らない奴らに限ってそういうことを書くんだと」と、声を荒げました。

               ペシャワール会のファーム・ハウス
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犯人は、山の向こうの隣州、ラフマン州の人間だと先ほど、聞きました。現地の人が話すパシャイー語を理解することも話すこともできないそうです。
少なくとも現地の人々は、パシュトゥンであれ、タリバンであれ、中村先生たちを攻撃しようと思わないだろう、これまでの数々の活動の難局でも攻撃は受けてこなかったし、それほどの厚い信頼をペシャワール会は地域一体から受けていたと、ほぼアフガン現地人?のベーグは語っています。

All photos copyright by Amin Ullah BAIG, Silkroad Caravan
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用水路の新しい門完成式で挨拶する中村医師
「あなたたちに必要なのは武器ではない、食料です」と語っていらっしゃった
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中村医師の話を聞く村の長老たち
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by silkroad_caravan | 2008-08-28 20:46 | アフガニスタンあれこれ
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フンザへ嫁ぎ、パキスタン政府公認現地旅行会社&取材業に励む日本人女子が綴る仕事最前線やスローライフ。アフガニスタン取材も得意。Silkrad Caravan Tour, TV Media coverage
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