今日、サッカー試合のために来日予定だったイタリア・セリエAのクラブ、カターニアが、柏崎刈羽原子力発電所から放射能漏れが起きたことを理由に来日を中止した、というニュースを読みました。秋田、静岡、千葉県で計3試合をする予定だったそうです。関係者は、安全には問題がないことを説明したものの、カターニアのクラブ内や、選手の両親らから反対の声が多く出たということでした。
このニュースを聞かれて、納得される方も多いでしょうが、それ以上に、(えっ、びっくり! それほどの危険でもないでしょう?)と、思われた方も多いのではないでしょうか。 私は大学を卒業した後、某メーカーに勤務していた数年がありました。その時、担当していたクライアントが東電さんだったので、その頃から、柏崎刈羽原発という言葉も日常、耳にしていました。そして、原発が絶対安全、というスタンスを聞くにつけ、「絶対安全、とどうして言い切れるのだろうか」と、内心、抵抗感を持っていたことを思い出します(今も思っているし・・・)。 今回、事故後、東電さんがたびたび記者会見を開いていますが、その顔ぶれの中に、友人の旦那さんがいることにも気付きました。大学時代の友人のご主人が、東電さんの広報を担当していらっしゃることは友人自身から聞いていました。テレビ画面向こうの彼のお疲れな表情に、(寝る時間もないのだろうなぁ・・・)、(年齢からすると課長さんくらいになっていらっしゃるのかな、大変だろうなぁ・・・)と、また複雑な心境になりました。 地震のあったあの日、うちの日本連絡事務所にも、地震発生後すぐに、パキスタンやヨーロッパの友人から、安否を気遣ってくれるメールがいくつも届きました。イタリア人で我われ夫婦の母親くらい年上の友人ソフィアは、地震と原発放射能漏れをセットにして、とても心配してくれていました。私たちは、”柏崎は日本海側にあり、我われのところからは遠いので大きな心配には及ばない”と返事をしました。 この件で、感じたことは大きくはふたつ。ひとつはいつも思うのですが、多くの日本の方が思っているより、外国の方々は日本のニュースを非常に早く知っているということ。今回の大地震のような大きな出来事でなくても・・・です。日本の一般の方より、日本のニュースをよく認識している外国の方も、おカミのまわりには多いという印象を持つほどです。 もうひとつは、比較するのは妥当ではないかも知れないのですが・・・・・・。パキスタンでラール・モスク事件や自爆テロ事件が起きて、再び、パキスタンは危険だ、と日本のお客様の足がパキスタンから遠のいてしまうであろうことを考えた時、パキスタンはとても大きな国(国土面積日本の2.2倍)だし、一部、問題の起こっていることは事実だけれど、外国のお客様が巻き込まれるなどの危険がそこまであるだろうか・・・と当事国の人間として、心の中では思っていたこととダブった、ということです。いつもは緑深く静かで、のんびりした首都イスラマバードで事件が起こったことは、もちろんショックでしたけれど。(外国のお客様が不安に思われることは当然です。ただ、ご参考までに申し上げておくと、こういった事件は外国人をターゲットにしているものではありません。国の政治に関わることで、軍や警察などが狙われています)。でもやはり、外国(日本)から見れば、パキスタン イコール 怖い国になってしまいますね。私はいつも、”多くのパキスタン人は善良なイスラム人なのに””パキスタンをほんの一面のイメージでしか見てもらえない”と、悔しく思います。日本より平和なところもたくさんあるのになぁ・・・。 あくまで個人的に、ではありますが、イスラマバードで暮らしていても、身の危険を感じたことは、これと言ってありません。もちろん、現地旅行社の立場として、絶対安全です、とお客様に対して明言することは致しませんけれど。 実際、ヨーロッパのお客様はこれまでのところは減っていないようです。ヨーロッパから来られている多くの方々に関しては、必要なニュースをみなさんよく、ご自身で吟味されていらっしゃるようですし、その上でご判断されて来られている様子です。まぁ、おカミにうわさが聞こえてくるヨーロッパ人って、登山家とかトレッカーなどのパキスタン・ラバーズが多いから偏っているのでしょうか。みなさん、ニュースの行間、それ以前にニュースの背景などをよく読み取って来られています。でもそれを日本の方に期待しても無理と思います。日本の報道を見ている限り、絶対にわからないと思います。事件の時、瞬間的に報道されるけれど、その後のおっかけ取材をされないし、そもそも”○○は平和です”、というニュースはないですものねぇ。 ▼▲パキスタン現地旅行会社シルクロード・キャラバンのHPはこちらから▲▼
by silkroad_caravan
| 2007-07-26 01:09
| パキスタンあれこれ
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