今週は、夏のご旅行やトレッキング・プランを作ったりしている時間が多いおカミです。パキスタンは危険だ、というイメージはなかなか払拭されず、今年もたくさんのお客様は来られないのかな、と残念に思いつつ・・・。ヨーロッパのお客様は今年、多いのですよ~。
傍らで、日本人女性とパキスタン北部人カップルの、ご結婚手続きのご相談にのったりしていました。パキスタンは多民族で、イスラムの派もひとつではありませんから、それぞれ多少異なり、ただでさえ慣れないその諸手続きはカップルにとって大変なことです。 ◆記録的猛暑と、大雨 今年はパンジャーブ州(南部)が気温54度にまで上がり、辛い新記録。たくさん死者がでています。一転して、ここに来て大雨。これによりまた死者がでています。アフガニスタンでも同じです。地球の温暖化、異変をパキスタン南部でも、また夫ベーグの田舎、高地山岳地帯(大氷河地帯)の北部でも実感することの多いここ数年です。 ◆ベーグは、東京、青山の国連大学で、「国際シンポジウム 山岳環境への挑戦(International Symposium The Challenge of Mountains) 」に出席してきました。 “インターナショナル”、“山岳環境”、となると、ベーグにしてみると、世界の屋根、カラコルムやヒマラヤが語られるかな、と思ったようですが、そうでもなかったみたいで^_^; なによりカラコルムの将来を常に考えているベーグたちにとってみると、学者さんたちの討論から、山岳地帯はこれこれ大事、というお話はともかく、実際に現地の人間の生活を向上させる具体的なプランや、現地をいい形で永続的に発展させていくためのプランのヒントを聞くことはできなかった、とガッカリして帰ってきました。 パキスタン北部カラコルム、アッパーフンザ地元の人間たちに関して言えば、先祖代々、営々と、あの地を血を流すような努力を重ね、生き抜いてきました。今、インフラが未整備の状態で大勢のお客さんが来られること、ゴミ処理設備がない状態で旅行者が落としていく大量のゴミ問題(過去、地元の生活から、ゴミはほとんど出ませんでした)、ナチュラルリソースをいかに守っていくかなど、村人たちはフンザの地域のリーダーたちを中心に、具体的な策を模索しています。だから、モノや情報や人が入ってくるようになった最後の秘境が抱える問題点の、ヒントになるお話が聞けなくて残念だったのです。 パキスタンの旅行会社に関しても、多くはパキスタン南部経営の会社で、北部とは民族も宗教も異なります。お客さんを運んでくる彼らは多くの場合、北部の自然保全に関して、残念ながら、無責任といえましょう。 学者さんやNGOが現地に入ったことによる、弊害も少なからず考えられ、そういうことも現地の人間にしてみると心配です。私たちの村では、女性でさえ、「援助は要らない!」とハッキリいいます。以前、村の男性と話をしていたとき、彼は穏やかにいっていました。「どうして日本人はお金を援助してくれようとするのかな? 私たちはお金は要らないよ。欲しいのは援助ではなく、良いアイディアであったり、共にコミュニケーションし考え行動してくれるサポーターなのだよ」と。 最近、ベーグたちのバトゥーラ山群の夏村(すべて彼らの所有地です)が、IUCNとWWFの保護下に無理やり入らされ、地元の人たちは心底、困っています。数年にわたり揉めてきた問題でした。これにより、これまで続けてきた営みが禁止され始めています。机上のプランを、ああいう特殊な高地山岳地帯の生きた山、植物、動物、人間に当てはめても謳い文句の通りにはならないことは、地元の人間みながわかっていることです。http://paleyphoto.com/downloads/macp_passu.pdf#search='iucn%20passu' 少なくともアッパーフンザの人々は、自然を愛し、それを損なうことなく営みを続けてきました。問題は多岐にわたりますが、例えば、これまで計画的に、持続可能な植林をしながら木を切り使って来たのに、そういうことまで突然禁じられたそうです。このため薪がありませんから、今年は彼らの伝統食で、たんぱく源のひとつであるチーズやバターが作れなくなる、と村人が悲鳴をあげています。高地山岳地帯で標高が高いため、平地と同じような作物がとれない人々の大切な栄養源が奪われた、ということです。WWFがその代わりになるスペシャル・プランを持ってきたでしょうか。否です。そういうことを考えるとおカミも泣きそうになり、腹が立ってくるので、この辺でやめておきます。 ↓もう見れないのだろうか、バトゥーラ夏村の風景 (涙出る・・・) ![]() ◆イスラマバード到着が深夜未明に変更 (パキスタン航空) ▼▲パキスタン現地旅行会社シルクロード・キャラバンのHPはこちらから▲▼
by silkroad_caravan
| 2007-06-29 13:46
| パキスタンあれこれ
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