叔父たちのホテル  アッパー・フンザのホテルも親戚だらけの巻
 インターネットでフンザのことを見ていたら伯父のホテルのHPを見つけました。(あら~、伯父さん、HP作っていたんだぁ~、フンザもそういう時代なんだなぁ)。素敵なホテルなので、ご紹介させていただきます。

 アッパーフンザ ゴジャール地区グルミット村にある、シルクルート・ロッジです。http://www.silkroutelodge.com/index.html カラコルム・ハイウェー沿いにあり、大きいですし、わかりやすいです。
広々とした美しいホール&ダイニングルームには、マルコポーロ・シープやアイベックスの立派な角が頭上に飾られていて、最初はちょっとビックリ。美しいトポプダン峰を眼前に眺めながら、フンザのハーブティー、トゥモロでゆっくりするのが乙かな。
親戚だからではなく、旅行業者としても、素敵なホテルといえるのではないか、と思います。シーズン中は欧米人でにぎわっています。お料理も美味しい!

 オーナーの伯父アブザルは一見ヨーロピアンのような顔立ちをしている人です。いつも優しそうな微笑を浮かべていて、鼻についたおヒゲもよくお似合い。こういう俳優さん、ハリウッドにいなかったっけ、と思いたくなるナイス・ガイ。振るまいも紳士的。5つ星セレナホテルなどで様々な経験を積んだ後、フンザの中心地カリマバードだけでなく、アッパーフンザのツーリズムのためにも、きちんとしたサービスをご提供できるホテルを作らなければ!と、このホテルを立ち上げたそうです。

 ついでなので、他の親戚のホテルもご案内したくなってきました。
 以下、いくつかは故郷パスー村のホテルです。アッパーフンザ、パスー村入り口(カラコルム・ハイウェー沿い)に立つ一番古いホテル、パスー・イン。こちらも叔父のホテルです。こちらは美しいとは言い難い^_^;ですが、パスーでは、一番古くからツーリストやバック・パッカーの拠点となってきたところです。いつも、中庭でのんびり本を読んだり、おしゃべりをしたりする旅人でにぎわっています。近年、欧米人や日本人に混じり、韓国・中国・シンガポール・マレーシアなどからの旅人もぽつぽつ見かけるようになりました。私もパスーの自宅にいる時は、ちょくちょく出入りしています。
 叔父たちのホテル  アッパー・フンザのホテルも親戚だらけの巻_d0106555_1850484.jpg

 ↑この写真は、パスー・インの庭でのスナップです。私もプライベートタイムでして、弊社のお客さまではなく(汗)、ユーラシア大陸を横断中のバック・パッカーたちや、うちのガイドたちと共にくつろぎ、なぜかギターにあわせて謳っております。

 さて、オーナーで叔父の、ゴラム・ムハンマドについてちょっと書きましょう。彼はいかにも人の良さそうな顔立ちで、まさにフンザの好々爺に見えるけれど、実はかなり辛らつな人です。オーナーとしては、あまりにもモラルがなさそうだったり、ハシシを吸ったりしそうなバック・パッカーさんに、空き部屋があるにもかかわらず、満室だと言ってことわっている姿も私は何度か目撃しました。フンザ(特にここの子ども達に)に悪いモラルを持ち込みそうな方はパスーに滞在お断り、ってことなんですね。
 ちなみに、ゴラム叔父は、70~80年代にかけては有名なマウンテナーであり、ハイ・ポーター(登山における高所ポーター)でした。私生活では、10人近く(正確には多くてよくわからない)子どもを持つ子沢山でもあります。(60代にして末っ子はまだ幼児! 行く度に子どもが増えていて、私はギョーテン!)

 同じくパスー村のパスー・ピーク・インは、叔父アクバル・シャーのホテルです。村の真ん中からは少し離れているバック・パッカー御用達ホテルなので、弊社のお客さまをご案内することはないけれど・・・。
 アクバル叔父さんは、軍を退役した後、この宿を開きました。役者のように大げさな身振り手振りが、すごく特徴的な人で、かなりオモシロイ人です。彼があまりにも面白いので、彼の物真似をする村人が、けっこういるくらいなんですよ。
 パスー・ピーク・インはやはりカラコルム・ハイウェー沿いにあるため、私は時々、うちのジープで通り過ぎるのですが、それをアクバル叔父に見つかると怒られます。「なんで素通りしたんだ。お茶をしていけ!」ってね。
 いつか、夫ベーグが、他の大きなホテルの庭で、外国のお客様のために宴を主催したことがあったのですが、そこにアクバル叔父がやって来ました。その後、滅多に飲まないお酒も手伝って、いつの間にか、主催者はまるでアクバル叔父!という雰囲気になっていた、ということがありましたねぇ。(これは役者が一枚も二枚も上だ)と、思わずにんまりした私です。フンザでは、昔の日本と同じで、年長者を敬うのが当たり前になっていますから、異存はございませんっ。逸話の多い叔父ですね(笑)。

 そしてパスー・ツーリスト・ロッジのオーナーは叔父イカエット・シャーです。本業は銀行のマネージャーで、いつ見ても優しそうな叔父は、よく甥のベーグにいじめられています。
 ホテルはカラコルム・ハイウェー沿いにあります。こちらはシルクルート・ロッジ並みの大きな設備、グッド・ツーリストクラスです。ニューパスーというエリアにあります。

 それからパスーのシスパー・ビュー・ホテル。うちのガイドもしてくれるアジィームのお父さんのホテルです。シスパーリ(7,611m)が目の前に見える好立地にあります。やはり村の中心からは離れていますが、カラコルム・ハイウェー沿いです。このホテルはキャンプ・フィーを払ってキャンプするのも良し、というところです。お部屋はバック・パッカーさん向けといえましょう。

 あ、もうひとつ。
 グルミットに戻ります。親戚ではないのですが、大好きなホテルです。名前はマルコポーロ・イン・ホテルです。お庭にいつも花が咲き乱れ、私はここでお茶を飲むのが大好きです。最近、アネックスとして新しい建物ができて、タポプダン峰を眺める景色がちょっと悪くなってしまったのが残念!
 こちらは、英領になる以前の、フンザの本当の藩主(ミール)ファミリーが経営しています。当主はラジャ・バドルハーンさんです。グッド・ツーリストクラスのホテルですね。こちらもお料理が美味しいのですよ。

 しかし・・・書いていて思ったのですが、ホテルもさることながら、オーナーの伯父・伯父たちの個性も風貌もそれぞれ際立っていることを実感。顔写真も是非、お見せしたいところですが、ないのが残念!

 書いているうちに、また親戚だらけの話になってしまいましたね。

 全部、伯父か叔父としましたが、実際は大叔父の人もいます。親戚を呼ぶときの感覚が日本とは違うので、わかりやすく書きました。
 例えば、向こうでは、祖父母のきょうだいは私にとってすべて祖父母という考え方です。私は嫁いだ後、祖父母がたくさんできて、最初は嬉しく感じたものです。とはいうものの一番最初は、知らない幾人もの人に、「お前は私の孫だ」と言われ、すごく驚きましたが・・・・・・。カルチャーショック!
 同様で、叔父、叔母はもっとたくさんいるわけです。今日、ご紹介させていただいたオーナーたちから見ると、私はすべて「姪っ子」になり、実際彼らから「ハリヤーン(姪っ子)!」と呼ばれています。

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by silkroad_caravan | 2007-05-23 19:33 | フンザ
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フンザへ嫁ぎ、パキスタン政府公認現地旅行会社&取材業に励む日本人女子が綴る仕事最前線やスローライフ。アフガニスタン取材も得意。Silkrad Caravan Tour, TV Media coverage
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