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バイマルお爺ちゃん逝く フンザの老人の死
おととい『ビビ・サフィーダが逝く』という記事をブログにアップしました。
我が一族の最長老のお婆ちゃんが亡くなり、悲しい気持ちのまま書いたものです。

「フンザの老人の多くは、冬に逝く」と、その中で書いたのに、お婆ちゃんが亡くなって3日後の昨日、今度は一族のバイマルお爺ちゃんが亡くなった、という訃報が届きました。

パスーのカラコルム・ハイウェー沿いの宿、パスー・ピーク・インをご存じの方もいらっしゃるかも知れませんね。亡くなったバイマルお爺ちゃんは、パスー・ピーク・インの名物オーナー、アクバルおじさんのお父さんです。享年99歳。

夫ベーグが仕事で故郷に帰っていて、切れ切れの携帯電波をとらえ、連絡をしてきたのですが、驚いたのが以下の彼の話。

「バイマル爺さんに挨拶に行ったら、元気なんだけれど、どこか呆けてしまったかのように、この世のものとも思えない変な話ばかりをするんだ。
おかしいなと思って、家族たちに、「爺さん、死ぬかもしれないよ」って言って、家を後にしたら、本当に30分後に死んでしまったんだよ」。

年齢からすれば老衰に違いありません。大往生といえるのでしょう。

いつものことなのですが、予知能力を含めてカンの強いベーグが、何気なく言って家を後にして、ほどなくころっと死んでしまった、というのです。

ほんとかいな。

ビビ・サフィーダにしてもそうですが、バイマルお爺さんも完全に自分の死期を悟り、この世のものとも思えない不思議な話をしていたのです。

私がバイマルお爺ちゃんのことで思い出すのは、すでに他界しているお婆ちゃん(お爺ちゃんの奥さん)と本当に仲が良かった、という話です。
今なお話題にされるほど、奥さんをいつも大切にし、仲良く暮らしてきたお爺ちゃん。

そのくせ、私がお茶を飲みに行くと、こんな発言をしていました。
↓90歳を過ぎての発言
「俺は、今度は、パンジャーブ人のお嫁さんをもらいたい」。
パンジャーブは同じパキスタンとはいえ、まーったく別の民族で、結婚などあり得ないのです。爺ちゃんのお得意のジョークだったのですが、私はあっけにとられて聞いていました。今、思いだしても笑ってしまう。

一族の人々が連続して逝ってしまうのは寂しい限りです。
パスーのお年寄りは、知恵の宝庫、村の財産。いてくれるだけで場が引き締まります。

でも、いずれも幸せな死に方なのかも知れませんね。

村全体が再び、弔い一色で3日間を過ごしているのでしょう。

そして次は・・・
うちのお婆ちゃん(父方の母)まで、急に具合が悪くなった、というのです。バイマルお爺ちゃんとは従兄妹同士でしたから、彼の死がショックで気が弱ったのでしょう。
目がよく見えない、耳がよく聞こえない、歯が欠けた、と言いながらも、大きな牛を何頭も連れて毎日牧畜していたお婆ちゃんですが、あっちのふたりに誘われなければいいのですが・・・。

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by silkroad_caravan | 2009-05-30 16:05 | フンザ
カラコルムが雨続きだったら・・・
雨続き。
洗濯もできないし少し憂鬱ですが、夜半に5歳の娘から、「ママ、雨の音を聴いてみて!」なんて誘われると、(雨もまた良しかな)と思える、今日この頃です。

(こんな雨がもしカラコルムで続いたら、すぐ土砂崩れが大変なことになってしまうなぁ)、とちらっと考えてみたり。

仕事の方は、こちら東京連絡事務所で、テレビの取材企画が同時並行で数本。
テレビのプロデューサーやディレクターさんと弊社本社をつなぐ事務連絡ぽつぽつ。

カメラマンの友人が、仏教の道を行く取材シリーズで、次は大乗仏教の誕生地パキスタンのガンダーラをやりたいなといい、その場所選定やイメージを電話打ち合わせしたり。

(それは仏教ロードならパキスタンは、はずせまい。。。)

観光では、ジープ・ツアーのお客さま(カラッシュ・バレーからシャンドール峠越えをしてフンザへ)のスケジュールつめや、フンザトレッキングをされて中国シルクロードへ抜ける団体旅行の最終案内づくり。
そんなことをひとつひとつやっているところです。

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by silkroad_caravan | 2009-05-29 17:44 | パキスタンあれこれ
ビビ サフィーダ逝く フンザの老人の死
夫ベーグの故郷フンザ、パスー村で、我が一族最長老であったお婆ちゃん、ビビ・サフィーダが亡くなったという訃報が届きました。
享年ははっきりしないのですが、100歳を超えていたといいます。

d0106555_2354365.jpg(お婆ちゃん、ついに亡くなっちゃったんだ・・・)。

大病をしていたわけではありません。

ビビ・サフィーダは、去年、私がパスーに里帰りしたときも、元気そうだったのです。

世界三大長寿エリアといわれるフンザの人々には、これまで病気らしい病気というのが、あまりありませんでした。

そういう中では、冬になると、厳しい自然にさらされ、お年寄りが静かに枯れるように亡くなっていくのです。
ですから毎年、冬になると、(この冬はどの老人が逝ってしまうのだろうか)と、心もとない気持ちになるのです。

フンザの女性たちは外が零下の日も、外で手を握りあうと、どの手もあたたかく、それがかの地の冬の厳しさの中で、私の心を温かく灯してくれます。
この数年のビビ・サフィーダは、夏でも手を握ると冷たく、(きっと心臓の働きが良くないのだろうな)と一抹、気がかりでした。
いつまで元気で生きていてくれるだろう・・・と。

フンザを訪れる多くの旅人たちには、この地の老人が深いシワを刻んでなお、健康で、平和に幸せに、大家族に囲まれ年を取っていくさまが、桃源郷と比喩される美しい風景とあいまって、どこか憧れの風景としてうつるようです。

たしかに多くの老人がその通りで、その中でも、ビビ・サフィーダの姿というのは、本当に美しく、フンザに帰るたびに、(生きていてくれてありがとう、また会えて良かった)、という気持ちを私に起こさせてくれる老人でした。
私たちの一族の長老でもありましたから、敬愛する気持ちもひとしおでした。

私がベーグと結婚したときも
初めて生まれた娘を連れて帰ったときも
次に赤ん坊の息子を連れて帰ったときも
お祝いの乳製品を持って、孫やひ孫を引き連れ、飛んで来てくれたビビ・サフィーダ。

そういったお祝いのとき、彼女は即興の詩を小さな声で謡ってくれました。それは母語ではなく、「古いペルシャ語で歌っているんだよ」と、ベーグが教えてくれました。
韻をふんでいて、意味もわからないのに、美しい歌でした。

大地に根をおろし、沢山の子と孫を育て、放牧をしてバターやチーズを作り、麦でパンをこね、楽しいことも悲しいこともすべて知っていたビビ・サフィーダ。
世界の辺境地で厳しい時代を生きながらも、知識や視野が広い女性でした。
長老として敬われ、いざとなったら場をとりしきるその姿は厳かだったなぁ。

「本当にインテリジェントな人だった。
ビビ・サフィーダは生きる楽しさを、みんなに教えてくれた人だ」と、つぶやくベーグ。

私が行くたびに視力が落ちているようで、曾孫に付き添われ歩いていたビビ・サフィーダ。
それでも小さな体はいつも気丈でした。

麦畑の畦道をゆっくり歩いてるビビ・サフィーダ。
我が家に来ると、女たちが座る場所の一番良い席で、ちょこんとチャイを前に腰かけているビビ・サフィーダ。

現地の言葉の語彙が少ない私は、沢山のことを彼女と話せたわけではないのですが、その小さな体から圧倒的な何かを感じさせてくれた人でした。

厳しい冬を今年も乗り越えたのに、逝ってしまったんだ・・・。
本人は自分の命が終わる日を予期していたでしょうから、美しい春に咲き誇るアンズやリンゴの花を楽しんでいったでしょうか。

村全体が3日間喪に服します。
亡くなった翌昼には、もう小高い山の上、パスー村を見下ろす墓所に葬るしきたりのため、今頃はもうお墓で眠っていることでしょう。

どうぞ、安らかに眠って下さい。

余話:
フンザの老人を見ていると、多くが自分の死期を悟っているように感じます。
ビビ・サフィーダもそうだった、と思う。
目が白内障で見えなくなったり、歯が欠けてしまったり、ひとつずつ失っていくも、
フンザの老人には、”寝たきり”というケースはありません。
今の日本から見ると、”健康なまま長寿を生きる”モデル、ともいえるでしょうね。
by silkroad_caravan | 2009-05-27 00:42 | パキスタン北部あれこれ
南アジアを代表するスター、ヌスラト・ファテー・アリー・ハーン
ゴールデン・ウィークも既に遠くに去り、社会生活へすっかり戻られシゴトシゴトの皆さん、今なる夏休みのご計画を練っていらっしゃる皆さん、いろいろおありだと思います。

弊社では、代表ベーグが日本での滞在を終え、暑い暑いイスラマバードへ戻りました。ベーグと共に、東京で打ち合わせが続いていた私も、ここに来て、一段落デス。
今日は落ち着いた気分でデスクに向かえて、これもまたシアワセ。

仕事では、テレビの音楽番組にて、パキスタンが誇るミュージシャン、ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンを取り上げられるということで、その曲の映像入手と、版権交渉です。

パキスタンで知らぬ人のいない、「神がヌスラトの舌に降りてきた・・・」とも言われる偉大なカッワーリ-の歌い手、パキスタンを超え南アジアの代表するヌスラト・ファテー・アリー・ハーンを紹介するお手伝いができるのは光栄なことだと思います。

入手した音楽を自分でも聴き、聴きほれています。かの地パキスタンで聴くのとは、また違う気分だなぁ。

曲はすでに入手し、これからは版権交渉です! 出版社勤務時代が長かったので、版権交渉はいつもやっていたのですが、パキスタンの旅行会社のおカミになって、ふたたびミュージック映像の版権かぁ、、、。とはいえ、報道フッテージ購入の交渉はやっていまいsたから、その延長線でもあるんですけれどネ。

他には日本の学会に来日されるという、パキスタンの教授と学生さんの来日のお手伝いなど、ま、何でもやるわけです。

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by silkroad_caravan | 2009-05-18 17:06 | パキスタンあれこれ
アフガン企画の最中も、気になりながら・・・
夫ベーグとテレビ局で取材の打ち合わせ中、ふと腕時計に目をやりました。

(Hさん、そろそろ成田離陸だ)と一瞬、打合せの内容から頭が離れてしまいました。
手配旅行をさせていただいたお客さんがご出発の時刻だったです。
こうして帰国されるまで、やはりいつも、折々、スケジュール通りうまくいっているか、気になってしまいます。

旅行のご案内や手配、一方で取材コーディネーションの仕事が重なると、頭が少々混乱します。
それでも弊社くらいの(大きくもない)スケールですと、良くも悪くも、それぞれのご旅行スケジュールを忘れてしまうほどお客さまが多い、ということもなく、頭の片隅に置いています。

今朝はそのHさんの国内線飛行機が、山岳飛行を終え北部玄関口ギルギット空港に着いて、またひと安心。
ギルギット空港で待機するガイドの携帯に電話したところ、「今、目の前にお客さんのATR(飛行機名)が着陸したところですよ~!」と言われ、ホッ!。

カラコルム・ヒマラヤ上空を飛ぶこの小さな飛行機は気流も厳しく、天候を理由に欠航になることもあります。
その場合、飛行時間なら1時間のところを、ダブル・スタンバイさせておいた専用車で2日間かけて北上する手配にスイッチ。スケジュールも予約ホテルもずれてしまいます。本当に毎回、気が抜けない。天候理由ばかりは、こちらでもどうしようもないですしね・・・

お客さまが航路1時間を経て、北部ギルギットご到着。ガイドがお迎えしたところで、私たちもやっとゴールデンウィークの休暇モードになれそうです。
いつも夜中にはっと目が覚めて、これからやるべき仕事の順番をシュミレーションしている貧乏性の私。でもでも・・・このブログ書いたら休み気分になることにします。

夫ベーグの方は、この3か月間、日本で打ち合わせや講演、挨拶回り、そういった仕事ばかりしていたため、「そろそろ現場に戻りたいな~」とつぶやいています。こちらは根っから現場の人。

  Photo by Amin Ullah Baig
  2001年のアフガン戦争後、かえって増えてしまったブルカ姿  ジャララバードにて
d0106555_1531100.jpg

さて、昨日のアフガン企画打ち合わせの話に戻ると、ベーグがプロデューサーさんやディレクターさんに現場のオン・シーンや治安状況、実際、どのエリアがどれくらい危険なのかを説明していた時のこと。脇でそれを聞くうちに、打ち合わせ中には初めてのことですが鳥肌がたっていました。
(状態が流動的なのは重々承知だけれど、前回撮影地がそこまで危なかった、って話、聞いてないゾーーー)。
2001年以降、毎回、事後報告もいいところで、心中は複雑。

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by silkroad_caravan | 2009-05-03 01:11 | アフガニスタンあれこれ



フンザへ嫁ぎ、パキスタン政府公認現地旅行会社&取材業に励む日本人女子が綴る仕事最前線やスローライフ。アフガニスタン取材も得意。Silkrad Caravan Tour, TV Media coverage
by silkroad_caravan
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弊社は 

シルクロードキャラバン社

現地旅行会社&
取材・コーディネーション
パキスタン政府ライセンスNo.889
PAKISTAN, AFGHAN
テレビ雑誌取材/リサーチ/
通訳/版権交渉/
NGOロジスティクスサポート

旅行業
: フンザの旅/
パキスタン北部トレッキング
/仏教の道/ガンダーラ/
シルクロード/世界遺産/時々イランや中央アジアも
代表アミン・ウラー・ベーグ
Tel: 046-875-1686
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