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 Kさんのフンザ、シムシャール旅報告
 旅行業をやっているといろいろなことが起きます。ここのところ、気分が晴れずにいたところでした。そんな時、ふとポストを覗くと、分厚い封筒が届いていました。

 Kさんからでした。フンザの最奥、秘境中の秘境シムシャール村に、村人悲願のジープ道が、深い渓谷にはりつくように完成したのを機に、Kさんたちをご案内したのが3年前です。その時の旅報告が、A4用紙31枚にびっしり書き込まれていました。                               
                   ↓麦の刈り入れを明日に控えたシムシャールの麦畑 
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 Kさん、お歳の頃は60歳くらい。実は去年、ご病気をされて、一時的に手に麻痺が残ったそうです(今は良くなられました(^・^))。その時、ペンも持てぬ・・・と、息子さんからパソコンを借りて、生れて初めてのパソコン作業を始められました。しかも片手、指1本で打たれた、とお手紙にありました。ただ書くだけでも大変な作業なのに、指1本で漢字変換をされ、カラコルムの力作を書かれたのか、と思うと・・・一瞬、涙が出ました。その歴史といい、地理といい、いずれにしても感嘆に値するものです。そしてまた、あのご旅行は楽しくも、みなさんには気候風土が苛酷なものであったことを、その文面から思い出しました。
    
 シムシャールは、フンザでも最奥、山や氷河に囲まれ、峠では中国のウイグルとつながっているところです。3年前までは、屈強な登山家だけが片道数日かけて歩いていくことができたシムシャール、資料の類はほとんどありません。
 Kさんは山と写真をこのうえなく愛する方。このご旅行にはおカミも同行し、Kさんがたくさんの写真をカメラにおさめているのを拝見していたし、実際、その後、Kさん自らがプリントされた美しいモノクロームの写真も数多くいただきました。今回は、この旅行記を拝見し、(あの時、撮影のかたわら、ここまで詳細なメモもお取りになっていたんダ!)と驚嘆した次第。文章もお上手なのは存じていたんですけれどネ。3年も前のことをどこまでも克明に記されているのです。

 ご旅行の1か月前、インドのチベット文化圏ラダックからお帰りになったばかりだったKさん、シムシャール行きが始まった段階で、ベスト体重から7キロも減らしていたそうです。にもかかわらず、奥様はじめ3組のご夫婦で来られこのツアーみなさんが休息をとっている日も、ガイドを連れて、更に奥のヤズギル氷河にトレッキングに行っていらっしゃいました。そのガイドは、夫ベーグの親戚、シムシャールが誇る若く血気も盛んな登山家ハシルでした。

    ご本人のご了解をいただいて、ほんの少し転載します。

    其の山塊の背後に鏡餅の様になだらかな純白の山が覆い被さっている。
    遥か彼方ながら実に大きい、クンヤン・キッシュ北峰(7200m)である。
    そして私の頭上高くそびえるヤズギルサールの稜線によって隠される
    遠景に、忘れてもらっては困ると云わんばかりに、頭半分覗かせている
    のはクンヤンキッシュ主峰(7852m)。
    陽が傾き、此等の山々が一面茜の空気に霞み、幻想的な姿を見せて
    いる。目を転じビルジェラブ方面を望むと、此方も又夕日を浴び、此の
    世の物とも思えぬ輝きを見せている。
    至福の時が流れていた、とその時、私を呼ぶ声がした。ガイドのハシル
    が心配して私を探しに来たのである。


   (傾斜45度以上の崩れやすい急斜面をカモシカのごとく、山羊を追うために
   走り出し、ただちに挟み撃ちにして捕まえたガイドたちの姿を見たくだり)

   19世紀、初めてカラコルムに接した西洋人が記した探検記、或いは学術家
   が不可能に近いと結論を出した、カラコルム山中の南北・東西への抜け道。
   其れは文明社会が人間の行動を自然界から遠ざけた故の結果、我われが
   山羊やヤクと同じ行動を取れなくなった為、西洋人がカラコルムを目の当たり
   にして出した結論に過ぎない。自然と共に生きる人々にとって、カラコルムは
   障害ではあっても通行不可能なものでは決してない。
   此処に住む山の民はチベットからガンダーラへ、トルキスタンからラダックへ
   生活の為なら氷雪の山越えも厭わなかった事であろう。又其れを可能なら
   しめる能力を十分に持ち合わせていると私は確信した。

                Copyright (c) 2007 Kさん. All right reserved

 Kさんへ
 ご依頼通り、夫ベーグが戻りましたら、ファクト・チェックを致します。
 今回は、Kさんから元気をいただきました。体力をさらに回復されて、パキスタン北部を
 再訪していただく日を夢見て・・・。でもその前にみんなでお食事でもしましょうね~。

 あ、そうそう、クンヤン・キッシュは、ベーグの親しい方が今年、何度目かのアタックを
 されています(こちらは本当の登頂を目指す登山家さん)。
 成功されたかどうか、そういえばまだお聞きしていないのですが・・・。

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by silkroad_caravan | 2007-09-22 11:20 | パキスタン北部あれこれ
フンザの紅葉を見にいらっしゃいませんか+シャリフ元首相の話も
   フンザの紅葉・・・美しいですよぉ 10月中旬~11月が紅葉真っ盛りの季節デス↓
   みなさまも見に、いらっしゃいませんか。
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 ”故郷フンザに新婚旅行のお客さまが来てくれるようになったなんて嬉しい”と、以前、書きましたが、このご夫妻が今頃は、ラホール国際空港にご到着され、ホテルでお休みになっているころ・・・。ホッ。

 今日は(正確にはもう日付が変わってしまったけれど)、1999年、クーデター後に国外追放されていたシャリフ元首相が、ロンドンからパキスタンに帰国する日でした。振り返り、ムシャラフ政権の軍事クーデターが起きる”きっかけ”をつくったシャリフ元首相は、当時死刑を免れ、サウジアラビアとレバノンの手助けにより、”10年間はパキスタンへ帰国しません、政治活動もしません”との約束で国外追放、サウジへ亡命したのでした。
 このため私たち夫婦も、今日のシャリフの帰国がどうなるのかを連日、話題にしていました。実際、イスラマバード国際空港はもちろんのこと、周辺の道路が封鎖されていたりで、混乱が予想され、ただでさえ政局が気になる上に、明日の弊社お客さま、イスラマバードご到着時にまで支障が出ないか、少々、やきもき。(夫ベーグも国際空港があるラワルピンディーからの帰り道、封鎖後の道路の混雑でなかなか帰宅できなかった、とやや疲れ気味)。

 結局、シャリフ元首相は入国を認められず、再度、国外追放。今回もサウジアラビアの仲介により、サウジへと逆戻り。チョードリー長官事件以降の法曹界の動きとも関係し(今回、最高裁が認めた帰国許可が無視された)、もちろん野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派他の動きもあり、目が離せません。

 現ムシャラフ政権はラール・モスク事件の対処の仕方などなどで、ここのところ人気が下降気味なのは否めない部分があり、たしかに政治的混迷に直面しているも、相対的には今も人気が高いです。と同時に、国民の多くが、このまま軍事政権であり続けるのはイヤと考えるのも、もっとも、不思議ではありません。シャリフやブットが良いとも思わないし、またあの時代に戻るのもいやだけど・・・そんな多くの市民のぼやきも聞こえてきそうです。こういうパキスタンの一般市民の声が日本で報道されることって、ほとんどないですもんね。政局を見守ろうと思っています。

 そういや・・・シャリフ元首相の名を聞くと、個人的には、シャリフが首相だった頃、私は、ある雑誌の編集部で働いていたことを思い出します。当時、シャリフ汚職の記事などが、デスクで目の前を通過していました。しかし、世界中からの記事を編集するその現場で、まさかその後、自分がパキスタンとこんなに縁が深くなろうとは、夢にも思わなかった、なんとも不思議です。

 さて私は、繁忙期最後のお客さまが無事、パキスタン入国で最初のホッ!を感じています。あとは本社にお任せです。

 夫ベーグも久しぶりに自らガイドをするといい、明日より、フンザに10日間行って来ます。短い滞在なりに、夜は実家に泊って母のチャパティを楽しんだりするつもりもあるのでしょう。
この夏は、急に、アフガニスタンで韓国人拉致誘拐事件取材が入ったため、ナンガ・パルバット(8,125m)トレッキングと、バトゥーラ(7,785m)トレッキングの山岳ガイドを泣く泣くあきらめたベーグでした。このトレッキングで、出っぱったお腹もすっきりスリムに戻る予定だったのですが(笑)。

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by silkroad_caravan | 2007-09-11 06:10 | パキスタンあれこれ



フンザへ嫁ぎ、パキスタン政府公認現地旅行会社&取材業に励む日本人女子が綴る仕事最前線やスローライフ。アフガニスタン取材も得意。Silkrad Caravan Tour, TV Media coverage
by silkroad_caravan
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