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  アフガニスタン 韓国人拉致事件2
  思い返すと2001年に同時多発テロ事件があった後、戦争の舞台はすぐにアフガニスタンに移りました。当時、現場のオンシーンを報道現場から伝えてくる夫ベーグの言うことと、アメリカ発あるいは日本のニュースが伝えることには大きなギャップを感じ続けたおカミです。一体何が真実なのか、多くの日本人が受け取るものは、真実とはずいぶん遠いところにある、と思ったものです。それにしてもその時、おカミは「タリバン イコール 悪 ではない」とよくまわりの人々に話しました。タリバンのやり方をすべて肯定するつもりはもちろんありませんが、アメリカが善でタリバンが悪、というようなそんな単純な図式ではありませんし、西洋社会から見たとき、悪い点が多々あったとしても、我われとは違う社会の話です、他人の社会を外からどうこう言えない部分だってあると思ったものです。(※タリバンのことを書いています。アルカイダではありません、念のため)。しかし、今のタリバンのひどさは・・・・・・。タリバンよ、ここまで変わってしまったのか。

 ニュースを見ていて、みなさんもお気づきかも知れませんが、タリバンの命令指揮系統はいまや一本ではないのです。一体コマンダーは何百人いるんだろう、と夫ベーグもよく言ってるのですが。拉致された人々も分散させられているというし、それぞれのコマンダーが自分の思惑で要求しているのだろうから、韓国政府も翻弄されているでしょうし、交渉も難航している様子。これまでも駐留軍撤退などの要求項目があっても、実際は、お金で解決しているケースも多い、と聞きます。それぞれのコマンダーが最後は金で解決してもよい、と考えるケースも多いのでしょう。

 さて、アフガニスタン政府も、この事件に軍事力を使うことをいとわない、といい始めました。そうなるとタリバンのとる手段は・・・ますます拉致されている方々の命の保証はうすくなってしまいます。この何日間か非常に緊張度の高い状態が続くでしょう。

 過酷な状況に心身ともに参っているであろう韓国の人質22人を、アフガニスタンの過酷な気候風土がさらに追い詰めていることでしょう。食事も、タリバンが彼らにきちんと出していたとしても、日本や韓国の人々との食事とはあまりにも違う食生活です。ベーグでさえ、アフガンから帰ると、食事がしんどかった、といつも言います。美味しいとかマズいとかいうことではないのです、食の風土自体があまりにも違う。韓国の人が健康を維持してくのには相当辛い食事です。殺された牧師さんも持病があったと報道されていますが、ましてや持病があれば・・・。

 人質が所属するキリスト教会は数年前からアフガニスタンに訪問団を派遣し、医療・教育現場での奉仕活動を続けてきたと聞きますが、昨今のアフガニスタンは、一部の地域を除けば非常に危なくなって来ていたことをどう把握して対策をとって行っていたんだろう、と思わずにはいられません。日々、情報収集しているベーグも、私にあまり言わないようにしているらしいけれど、それでも、現地がどんどん危なくなって来ていることは言葉の端々に感じられます。ペシャワール会の中村哲先生くらい肝がすわっていらっしゃり、現地の情報収集ができる方を別にすれば、他はほとんどの方が行かれるような状態ではないでしょう。もちろんアフガニスタンといっても、地域地域によっての情報収集が必要だと思います。

  夫ベーグは、日本の某民放さんと、このアフガニスタンでの韓国人拉致事の取材がスタート。本当は、今日からパキスタン北部で8,000m峰ナンガ・パルパッドを南壁・北壁両面から堪能するトレッキングのガイドをしていたはずだったんですが・・・アフガン要員へ。昨日今日はまだ、テレビ取材とトレッキングの仕事を半々でこなしながらイスラマバード→ラホール→イスラマバード→アボダバード→イスラマバード→取材 と寝ずに移動。頭の中がこんがらがらないのだろうか。

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by silkroad_caravan | 2007-07-28 19:48 | アフガニスタンあれこれ
 アフガニスタン 韓国人23人拉致事件
 朝です。(やっぱり・・・・・)、思わず深いため息。韓国人一行を引率していた牧師さんが殺害されていました。

 タリバンが韓国人23人を拉致した事件について、昨夜25日20時~に、AFP通信社のインターネット・ニュースで、”韓国人の人質ひとりが殺害されていた、とアフガニスタン政府が確認”と、載った内容が出ました。それ以降、明け方まで、その続報をインターネットで追いかけていたのです。
 某民放の記者さんから、”AFPのニュースは時々、とんでいること(誤報)もあるから、様子を見ましょう”と夜中にご連絡をいただき、ブログのアップも朝を待ったら、朝一番で、やはり民放さんで別の報道部の方からお電話をいただき、リーダーである牧師さんが殺されたのは確かだ、と確認したのです。
 ちなみにこれまで、パキスタンのニュースで、この事件はさほど時間が使われていなく、アフガニスタンのザヒル・シャー元国王が23日に亡くなったことなどの方の扱いが大きかったようでした。昨日今日でも、ベーグに言わせると似たような扱いで、トップニュースになっていないというのです。

 昨夜日本では、”8人が解放されそうだ”、という情報から数時間の後、インターネット・ニュースで、”韓国人人質ひとりが殺害されていたと、アフガニスタン政府が確認”と、一部、出始めたのです。
 テレビニュースでも23時~になり、8人解放と、ひとりが殺害されたかも知れない、と同時に伝えられ、情報が錯綜している様子といっています。その殺害に関してはロイター発になっていました。おカミが確認した範囲では、日本語では、AFP通信のインターネットニュースが一番早かったように思います。

  *  *  *
 さて、一部の報道ドキュメンタリーなどをのぞけば、アフガニスタンの現状を、日本のテレビ・ニュースで報道しなくなってずいぶん経つ印象を持っています。イラクの混迷を前に、アフガニスタンもかすんでしまうのかも知れませんが、これらとて別々の問題とも思えず、つながっていることです。アメリカが描いた、アフガニスタンのデモクラシーや平和など実現していないことを伝えて欲しくても、どこの局もほとんど扱われません。
↓この動画ニュース、アフガニスタンの現地の一端がよく伝わってきます。良かったら、ご覧下さい。http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2258811/1868578
 最近のアフガニスタンに至っては一部の地域を除けば、非常に治安が悪くなってきていることを、多くの日本の方は、あまりご存知ないと思います。

 弊社の代表ベーグは、日本のテレビがアフガニスタン取材をされる時は、取材コーディネーターとして必ずお声がかかり、今回も久しぶりに、取材や通訳などのお問い合わせが続いています。それでもドキュメンタリーではなく、毎日のニュースで、というのは、2年程前に、広島県の教師おふたりがアフガニスタン・パキスタン国境付近で殺害された事件以来です。こういった事件でのみ出番がやって来るのも、複雑(な気分)です。
 報道されなくてもアフガニスタンの現地では、毎日、たくさんの命が失われていることが取り上げられることがないからです。特筆すべきなのは、アフガニスタンの無辜の民、一般市民がこれまで、戦闘にどれだけ巻き込まれ、あるいは誤爆という名の元に命を落としているか、日本の多くのみなさんがご存知ない方が多いこと。。。前述のURLでもAFP通信が、今年になってからNATO軍のISAFにより、推計250人の一般市民が殺されたという推計もある、と伝えています。

 話を戻しますが、3日ほど前、日本のテレビニュースではどの局も、「韓国人NGO23人が、護衛もつけず移動していたことで、批判を受けている」というニュアンスを伝えていましたが、ベーグに言わせると「たとえ銃を携帯した護衛を数人つけていたとしても、非常に危ない」ということでした。
 ↓タリバンが拉致した人質の救出作戦が行われている地域
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2258515/1856919
 ベーグは当初から、「もちろん解放される可能性もあるけれど、本当に殺されてしまう可能性も少なくない。ここのところ毎日のようにNATO軍にタリバン兵士が数十人の単位で殺されているし、背景は複雑。全体的な緊張度も高い。」と言っていました。その言葉と、はつらつとした若い韓国人の方々23人の報道写真の狭間でなんともいえない気分で過ごしていたのです。
 バローチースターンでは、以前、グアンタナ・モベイに収監されていたというタリバンのコマンダーがNATO軍に殺されたということも、この2,3日でありました。そういった要因が、より悪いほうに影響を与えなければいいな、とも。
 一方、ガズニの一般市民は、タリバンに対してデモをおこないました。コーランに人を拉致する、ましてや女性にそんなことをするなんて書いていない、など、アフガンの市民がデモで言っているのも当然のことでしょう。
 
 夫ベーグは、日本のジャーナリストさんたちのジャーナリスト・ビザがなかなか取れないことや、イスラマバードが大雨の影響などを受け、通信状態が悪く、電話もインターネットもイマイチな状態にイライラしています。我われ夫婦の会話(by電話)までケンカに発展しがち。インターネットと電話の前で、気分も波立ったまま、おひとりが殺害されたらしい、という報を22時代にAFP通信で知った次第です。8人が無事釈放されたらしいというあの吉報はどうなってしまったのか? それすらも今朝は確認されていない、ということに変わってしまった。22人の安否・・・韓国国民の方々のショック、ご家族の方たちの心配・悲しみ、ドイツ人が拉致・殺害されたことに引き続き、なりゆきを見守ります。
 
 ベーグは大使館に朝一番から、つめていると思われます。あるいは電話での通訳作業か。パシュトゥー語、ウルドゥー語などの多言語から、日本語への直接通訳できる人はほとんど、いないため。今日も忙しい1日になりそうです。

 本当は明後日から、ナンガ・パルパッド(8,125m)BCトレッキングに、山岳ガイドとして行くはずだったんですが、どうなってしまうことやら。
(N村さま、もしガイド同行ができなくなってしまったら、申し訳ありませんm(__)m)

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by silkroad_caravan | 2007-07-26 09:44 | アフガニスタンあれこれ
 日本から見たパキスタン、外国から見た日本
 今日、サッカー試合のために来日予定だったイタリア・セリエAのクラブ、カターニアが、柏崎刈羽原子力発電所から放射能漏れが起きたことを理由に来日を中止した、というニュースを読みました。秋田、静岡、千葉県で計3試合をする予定だったそうです。関係者は、安全には問題がないことを説明したものの、カターニアのクラブ内や、選手の両親らから反対の声が多く出たということでした。
 このニュースを聞かれて、納得される方も多いでしょうが、それ以上に、(えっ、びっくり! それほどの危険でもないでしょう?)と、思われた方も多いのではないでしょうか。

 私は大学を卒業した後、某メーカーに勤務していた数年がありました。その時、担当していたクライアントが東電さんだったので、その頃から、柏崎刈羽原発という言葉も日常、耳にしていました。そして、原発が絶対安全、というスタンスを聞くにつけ、「絶対安全、とどうして言い切れるのだろうか」と、内心、抵抗感を持っていたことを思い出します(今も思っているし・・・)。
 今回、事故後、東電さんがたびたび記者会見を開いていますが、その顔ぶれの中に、友人の旦那さんがいることにも気付きました。大学時代の友人のご主人が、東電さんの広報を担当していらっしゃることは友人自身から聞いていました。テレビ画面向こうの彼のお疲れな表情に、(寝る時間もないのだろうなぁ・・・)、(年齢からすると課長さんくらいになっていらっしゃるのかな、大変だろうなぁ・・・)と、また複雑な心境になりました。

 地震のあったあの日、うちの日本連絡事務所にも、地震発生後すぐに、パキスタンやヨーロッパの友人から、安否を気遣ってくれるメールがいくつも届きました。イタリア人で我われ夫婦の母親くらい年上の友人ソフィアは、地震と原発放射能漏れをセットにして、とても心配してくれていました。私たちは、”柏崎は日本海側にあり、我われのところからは遠いので大きな心配には及ばない”と返事をしました。

 この件で、感じたことは大きくはふたつ。ひとつはいつも思うのですが、多くの日本の方が思っているより、外国の方々は日本のニュースを非常に早く知っているということ。今回の大地震のような大きな出来事でなくても・・・です。日本の一般の方より、日本のニュースをよく認識している外国の方も、おカミのまわりには多いという印象を持つほどです。

 もうひとつは、比較するのは妥当ではないかも知れないのですが・・・・・・。パキスタンでラール・モスク事件や自爆テロ事件が起きて、再び、パキスタンは危険だ、と日本のお客様の足がパキスタンから遠のいてしまうであろうことを考えた時、パキスタンはとても大きな国(国土面積日本の2.2倍)だし、一部、問題の起こっていることは事実だけれど、外国のお客様が巻き込まれるなどの危険がそこまであるだろうか・・・と当事国の人間として、心の中では思っていたこととダブった、ということです。いつもは緑深く静かで、のんびりした首都イスラマバードで事件が起こったことは、もちろんショックでしたけれど。(外国のお客様が不安に思われることは当然です。ただ、ご参考までに申し上げておくと、こういった事件は外国人をターゲットにしているものではありません。国の政治に関わることで、軍や警察などが狙われています)。でもやはり、外国(日本)から見れば、パキスタン イコール 怖い国になってしまいますね。私はいつも、”多くのパキスタン人は善良なイスラム人なのに””パキスタンをほんの一面のイメージでしか見てもらえない”と、悔しく思います。日本より平和なところもたくさんあるのになぁ・・・。

 あくまで個人的に、ではありますが、イスラマバードで暮らしていても、身の危険を感じたことは、これと言ってありません。もちろん、現地旅行社の立場として、絶対安全です、とお客様に対して明言することは致しませんけれど。

 実際、ヨーロッパのお客様はこれまでのところは減っていないようです。ヨーロッパから来られている多くの方々に関しては、必要なニュースをみなさんよく、ご自身で吟味されていらっしゃるようですし、その上でご判断されて来られている様子です。まぁ、おカミにうわさが聞こえてくるヨーロッパ人って、登山家とかトレッカーなどのパキスタン・ラバーズが多いから偏っているのでしょうか。みなさん、ニュースの行間、それ以前にニュースの背景などをよく読み取って来られています。でもそれを日本の方に期待しても無理と思います。日本の報道を見ている限り、絶対にわからないと思います。事件の時、瞬間的に報道されるけれど、その後のおっかけ取材をされないし、そもそも”○○は平和です”、というニュースはないですものねぇ。

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by silkroad_caravan | 2007-07-26 01:09 | パキスタンあれこれ
 ああ、パキスタン航空 (フライト・スケジュール変更)
イスラマバード国際空港の夜間滑走路工事にともない、再度、
パキスタン航空東京発着便 タイム・テーブル変更のお知らせ(~10月末)


 パキスタン航空さんから7月17日付け通達をもらったのが7月20日。「えー! また変更っ! 3日後から変わるの~!?」 これじゃ、お客さまたちも混乱されてしまう・・・。

 成田からの週2便の内、1便はラホール国際空港止まりになってしまうし、もう1便はラホール経由カラチ行きになってしまいました。なんと、イスラマバードには止まらない。。。詳しくは弊社のHP、トピックス欄をご覧下さい。
 イスラマバードに行かれる多くのお客さまは、ラホールに21:15ご到着後、パキスタン航空さんがご用意されるホテルに1泊していただき、翌朝の国内便PK356 8:00発、イスラマバード8:50ご到着に接続していただくことになります。
 あと問題は、みなさまが翌日にどういうスケジュールになっていらっしゃるか、ですね。この季節、ほとんどの皆様がパキスタン北部にご出発と思います。陸路でご出発の方、国内線接続の方(接続できない可能性もあり)、悲喜こもごもでしょうか。大手旅行会社さんも、この急な変更には、お困りになっていらっしゃるのだろうなぁ。

 この仮措置最後の便には、夫ベーグ(弊社代表)も搭乗。旧知の登山家Hんや、日大さんの研修にて日本滞在を終えたフンザの日本語ガイドも一緒の搭乗となり、「楽しそうで良いね~」、とは言ってみたものの、かなりツラかったみたいです。
「自分はよいけれど、トレッキングのために団体で来られている中高年のグループの方々が、なんともお気の毒だった。急な変更だったしね」と、ベーグの弁。黙ってはおれない性分ゆえ、パキスタン航空日本支社のエリア・マネージャー(パキスタン人)さんにも、今回の一連の措置に対して、すごい文句を言ってしまった、と申しておりました。実際、観光のトップ・シーズンに入るこの時期に、パキスタンのツーリズム関係への影響は大きい。国内線への乗り継ぎなど、できなくなってしまう可能性もあります。

  ↓ラホールのバード・シャヒー・モスク ~ご都合が許せばラホール見学も、是非!
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 もとい、弊社のお客様に関しては、「チャンスだから、ラホール見物もしよう!」というお客様もいらっしゃれば、「ラホールも観たいけれど、のんびり見物するにはトータルの旅行の日程が足りない」というお客様もいらっしゃいます。
 (せっかくのチャンスとお考えいただき、古都ラホールも観ていただきたい!)と、思いながらも、日程の加減であったり、チャーター車の走行距離が長くなるためにお客様のコストに跳ね返る部分があったり・・・。弊社では、スケジュールを決める自由度がかなりあるために、私なりに悩むここ10日間でした。我、若輩ナリ。(以前、書いたラホールの記事はこちら

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by silkroad_caravan | 2007-07-24 04:01 | パキスタンあれこれ
 フンザと、イランのおふくろの味 + 長寿の話も
 ここのところ、硬い内容が続きましたから、今日はちょっと、おいしいブログにしたいと思います。食べ物ネタは、書きたいことがいっぱいあります。特に私は、”日本”と”パキスタン”と”フンザ”という、異なる食文化の狭間で小さな子どもたちを育てているため、頭の中は、食に関する疑問や悩みでいっぱいなのです。(*読者のみなさんは、パキスタンとフンザを分けてあることを不思議に思われるでしょうか。フンザは元々ひとつの王国で、地理的にも歴史的にも、パキスタンとは異なる食文化を持っています)。

 いうまでもなく日本とフンザの食生活も、大きく異なります。気候風土もまったく違います。ですから違う食生活をしているのは当然のことですが、ともに長寿で有名なところでもあるのですよね。
 よくいわれるフンザの長寿伝説、実際のところは、伝説になるほどでもないようです。それでも旅人から見ると、顔に深い深いシワを刻んでなお、超現実と思われるほど美しい村の中を、かくしゃくと、ある人はクワを持ち、ある人はワラを山のように背中に積んで、しなやかにゆくその姿を見ると、長寿伝説のひとつも語りたくなるでしょう。
 実際のところ、病気らしい病気がなく(ないんです!)、寝たきりのお年寄りが皆無、元気に年をとっていくのは事実で、世界中の長寿研究者の方々が注目されるのも分かります。(おカミの舅と姑も、きっと、おカミより長生きするに違いない、彼らの生活を見ているとそう感じます)。
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 さて、最近、そんなフンザの”おふくろの味”に、なんと、日本の友人夫婦宅で再会し感激してしまいました。友人は、夫ベーグと私の、いわゆるパパ友とママ友・・・子育て中の同志です。ママは日本人で、パパはイラン系カナダ人。パパのSさんは、時々、私たちにイラン料理の腕をふるまってくれるのですが、その料理上手なこと! センスのよろしいこと! そして、おいしーい。世界地図を思い浮かべていただければ両国は土地続きのお隣どうしですから、ご納得いただけるでしょう。彼の作るものにはパキスタンやフンザを思い出させてくれるような品が多いのですね。 

 最近、イランに里帰りされ、いろいろな食品を持って帰って来られたSさんが、最初につくってくれた一品が上の写真。ナスとニンニクをじっくりオリーブオイルでソテーしたものをつぶし、その上にクルミや、ソテーしたミント、カシュクといわれるドライヨーグルトがかかったものです。そしてこのカシュクが、フンザのおフクロの味、クルットといわれるチーズと同じ味だったのです。
 「すっぱーいこの味、なつかしい、涙~、しかし待てよ、ドライヨーグルト? チーズじゃないの?」という会話がこの後、続きます。ミルクを長い長い時間かけて攪拌した後、上澄みでバターを作るのですが、その下に残ったラッシー(ヨーグルト)をさらに加工し、それぞれ、カシュクとクルットになります。ただ、その加工の仕方が違うのでした。フンザのクルットチーズはこの後10時間以上も火にかけた後、天日干しします。イランのカシュク、ドライヨーグルトはそのまま袋に入れて発酵させるようです。
 
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 こちらがフンザのクルットで作ったチーズうどんです。クルット・モチといいます。おふくろの味です。最初に食べたときは、その酸っぱさに驚き、やがて病みつきになってしまうんだなぁ。特にフンザの厳冬期に食べると、最高! 私はいつも義弟たちに、「姉さんって、本当にモチが好きだよねー」と笑われています。今、ベーグは傍らで、「これにグリ(種も丸ごと乾燥させたアンズ)を入れると、もっとおいしいぞ~」と、うっとり思い出しています。

 長寿の話に戻れば、ベーグのひいお爺さんは108歳まで元気に生きて、ある日、「ワシは明日死ぬだろう」と、家族全員に伝え、その通り、ぽっくり亡くなるという大往生だったそうです。そのお爺さんは毎朝、欠かさず、このクルット・モチを食べていた、と聞いています。ひいお爺さんが生きている間に、チャイ(ミルクで煮出した紅茶)や砂糖を摂取する習慣がパキスタンから入ってきましたが、ひいお爺さんは決して、そういったものを口にしようとはしなかったといいます。絶対に体に悪い、と思っていたようです。クルット・モチはやっぱり、長寿の秘訣のひとつだったのでしょう。

*前回の記事に書きましたが、このクルットチーズが、WWFの強引なプランにより作れなくなってしまいそうな2007年です。
*クルット(チーズ)のことは、以前、共同通信社さんの『暮らしの知恵』という雑誌に寄稿しました。今度、PDFファイルにして、この記事とリンクしたいと思います。

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by silkroad_caravan | 2007-07-04 04:31 | フンザ



フンザへ嫁ぎ、パキスタン政府公認現地旅行会社&取材業に励む日本人女子が綴る仕事最前線やスローライフ。アフガニスタン取材も得意。Silkrad Caravan Tour, TV Media coverage
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シルクロードキャラバン社

現地旅行会社&
取材・コーディネーション
パキスタン政府ライセンスNo.889
PAKISTAN, AFGHAN
テレビ雑誌取材/リサーチ/
通訳/版権交渉/
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旅行業
: フンザの旅/
パキスタン北部トレッキング
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代表アミン・ウラー・ベーグ
Tel: 046-875-1686
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